VCメガネとは
岡本隆博
VCメガネ……って、
みなさん、
あまり聞かれたことがないと思います。
メガネのフロント部
(レンズがついているところ)
を
垂直に(vertical)に
高さを変更(change)できる、
そんなメガネを私たちは
VCメガネと名付けました。
VCメガネには、
必ずVC
(垂直方向での位置変更)
パッドがついています。
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↑
VCパッドを上に上げると、
相対的にメガネのフロント部が
やや下に位置します。 |
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↑
VCパッドを下に下げると、
相対的にフロント部が
上に上がります。 |
VCパッドは、
もともとは遠近両用のメガネを
より見やすくするために
作られたものなのですが、
VCパッドをつけたVCメガネは、
それ以外にも下記のような用途があります。
(1)
不同視の矯正に対して
VCメガネが有効に使える。
(これについては
http://www.ggm.jp/hudoushi/
をご覧ください)
(2)
遠近両用ではない単焦点レンズで、
ピント調節力が弱めの眼でも
楽に遠くと近くを交互に明視するために
VCメガネを有効に使う。
ここでは、上記の(2)について、説明をします。
弱度~中等度の近視
(近視系乱視)
の眼で
40歳を超えて調節力が弱くなってきますと、
手元のものを見るには
そのメガネをはずした方が
はっきりと見えるようになってきます。
その場合に、
メガネをはずして近くを見るという方法が
よく使われますが、
その手間を省いたものとして、
跳ね上げメガネがあります。
(跳ね上げメガネについては
http://opteye.net/をご覧ください)
ただ、
手元のものを見る場合に、
レンズを上まで跳ね上げてしまいますと、
近くのものを見ていて
パッと遠くのものを見た場合には
はっきりと見えません。
遠くと近くを
交互に明視するということが
できないわけです。
その問題を解決するための
ひとつの方法として、
ベターハーフという方法があります。
ベターハーフについては、
http://opteye.net/besthalf.html/をご覧いただくとよいのですが、
ベターハーフには、
普通の歩行時などの
下方視野の足りなさ
という問題が残ります。
そこで、跳ね上げメガネの
「遠方と近方を
頻繁に交互に明視するのには
やや手間どる」
という問題点と、
ベターハーフの
「遠見時の下方視野の狭さ」
という問題点をどちらも解決できるものとして、
このVCメガネがあるわけです。
それで、
VCメガネにおいては、
a)遠見歩行時には
VCパッドを上げて
フロント部を下げぎみにすることにより、
下方(足元)視野の確保ができます。
遠方視
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遠方視
↓ |
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b)遠方と手元を
交互に見るときには、
パッドを下げてフロント部を上げ気味にすることにより、
手元を裸眼で広い範囲で見ることができ、
そのままで視線を上に移動させるだけで
レンズを通して遠方を見ることができます。
近見下方視
↓ |
近見下方視
↓ |
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遠近累進よりも勝る点としては、
中程度の近視の人は手元を裸眼で
横幅広く見られ、手元を見ていて顔を横に動かしても、像のゆれやゆがみはない、
レンズを下げて歩くときには、足元を見てもぼやけない、
遠方を見ていて横目で右や左のものを見てもぼやけがないい、
ということなどが挙げられる。*
この用途で
VCパッドをつける場合、
クリングスの箱の間隔が
普通よりも6mm前後
広くなってしまいますので、
下記の条件に合うフレームが好適ですが、
本会の会員店では、これに該当するフレームを
いろいろと 取り揃えております。
条件1)
玉型の天地サイズが浅めであること。 |
条件2)
鼻幅
(フロント中央部のレンズとレンズの間隔)
が広めで、20mm以上あること。 |
条件3)
クリングスは、
スネーク型よりもU字型の方が、
レンズを拭くときに
邪魔になりにくくてよい。 |
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