昔は、遠近両用メガネの累進部の長さは16mm前後のものがほとんど
												であまり選択肢がなく、遠近両用レンズを入れるフレームの天地幅が
												狭い場合などでは加入度数を加減して、なんとか使えるようにしたり
												していました。
												
												ところが昨今では、累進部の長さは9mm程度から20mm前後まで、
												さまざまな種類のものが出てきまして、そのうちのどの長さのものにするか
												という選択も、大事な要素になってきました。
												
												流行の天地幅の狭い(30mm未満)フレームでも、累進部の縦の長さの
												短いものなら大丈夫、というような宣伝も一部でなされていますが、
												そう単純なものではありません。
												
												累進部の長さが短いものほど、眼前50cm〜1m前後の
													
												中間的な距離を見る場合の明視範囲という点で不利になりがちです。
												
												では、累進部が長い方がよいのかと言いますと、同じ加入度数で
												累進部を長くとりますと、たしかに像のゆれゆがみなどは減り、中間部が
												見やすくなるのですが、手元の本などを見る場合の視線の角度を
														
														不自然に強く下向きにしなくてはいけないようになるなどのデメリットも
												生じてきます。
												
												われわれは、お客様お一人お一人の事情を十分に理解し、それぞれの
												フレームや眼の使い方に適合する累進部の長さを考慮して、
												使いやすくて見え易い遠近両用メガネになるように努力しています。